こんにちは。COCORO行政書士事務所 代表行政書士の関です。
最近、遺言について相談いただくことが増えてきましたので記事に残したいと思います。
当所の業務に「遺言・相続」のご支援がございます。
遺言の必要性についてご相談いただいたときは、「遺言を残したほうが安心です」とお答えしますが、実際はケースバイケースなので、ご相談者の状況によって必要か否かを判断していきます。
さて、遺言というと、一般的には自筆で作成したものを封筒に入れて保管しているものをイメージされるのではないでしょうか。
ドラマでも、遺言書を家族が見つけて開封する。そんなシーンがあるかと思います。
一応ですが、自筆の遺言書を勝手に開けてしまうと無効になりますので注意が必要です。 開封したくなる気持ちを抑え、 必ず開封前に亡くなった方の住所を管轄する家庭裁判所に持ち込んで検認をしてもらう必要があります。
折角残してくれた遺言が無効になってしまうと大変残念ですよね。
また、書き方によっては無効になってしまったり、 相続内容に納得できない相続人から遺言書無効の訴えを起こされて無効になってしまうこともあります。
さらには、見つけて貰えなかったり、遺族が遺言を破棄してしまうといったケースもあります。 例えば、自分に不利な遺言書があったら残念ですから、「こんなの納得できない」と勝手に破棄するということも考えられます。
相続は金銭等の財産が絡む故にトラブルが多く、 良好だった親族間での争いが起こってしまい、親族関係が壊れてしまうといったことが少なくありません。
とても悲しいことです。
遺言は、自身が一生涯をかけて築き上げた大切な財産を、大切な親族に残し有意義に活用してもらう最後の意思を残す手段です。 そこで当所がご案内しているのが「公正証書遺言」です。
公正証書遺言のメリット
1.有効性の担保
公証人役場と言われる役所で作成している公正証書遺言であれば、無効になるケースは少ないです。 公証人と証人2名が内容を確認することで安全かつ有効性が確保されやすい遺言となります。
2.すぐに開封できる
自筆遺言は未開封のまま家庭裁判所に持ち込んで検認を受けてから中身の確認ができますが、 公正証書遺言は検認が不要ですのですぐに開封できます。
3.長期間、安全に保管される
遺言の原本を役場が50年以上保管してくれるので紛失の心配もありません。 (遺言者の死亡後50年、証書作成後140年または遺言者の生後170年間保存) また、電子保存もされますので、災害などで原本が紛失してもデータは安全に保管されます。 相続人の方は公証人役場で遺言の検索もできますので、 もし自宅で遺言が見つからなくても、遺言が残されているかどうかも調べることができます。
4.自筆不要
公正証書遺言は自筆遺言と異なり、自筆で作成する必要がありません。
自筆ですと無効になってしまうリスクや、作成中に間違ってしまった場合は一から作成し直す等、大変な労力がかかります。
5.作成時、出張も可能
手数料はかかりますが、公証人役場に訪問することが困難な場合は出張対応も可能です。 施設に入所されていたり、入院していたり、移動が困難であってもご安心ください。
(大人4名で書類を確認したり署名捺印できる面談スペースは必要です。)
手数料について
相続財産額によって、公証人役場に支払う手数料が発生します。
例えば、相続人が3名・相続額がそれぞれ1,500万円ずつであれば概算で約80,000円の手数料がかかります。
別途、証人1名当たり5千~1万円ほどの謝礼を準備する必要があります。
証人は3親等内親族以外でしたら友人・知人でもなれますが、 その方が欠格事由に該当すると遺言自体が無効になりかねません。 また、「遺言内容を聞かれたくない。」といったご要望が多いので、行政書士の私やスタッフが承認になることが多いです。
妻(夫)へ自宅居住する権利(配偶者居住権)を残したい方にも
令和2年4月改正により、配偶者居住権という権利が認められました。
例えば、遺言で子供に不動産(建物)を相続される場合、残された妻(夫)は所有者ではなくなりますが、 一定要件の下で居住する権利を遺贈する遺言を残すことができます。
要件は以下の通り3つあります。
①相続開始時、亡くなった方が対象の建物を所有していること
②相続開始時、亡くなった方の配偶者以外の者と対象の建物を共有していないこと
③相続開始時、亡くなった方の配偶者が対象建物に居住していること
(民法1028条参照)
配偶者居住権を遺贈するケースとしては、 配偶者と子が不仲で、法定相続する場合です。
例えば、自宅5,000万円・預貯金3,000万円 合計8,000万円の遺産を2人で2分の1ずつ(4,000万円)相続する場合で考えてみます。
配偶者が自宅に住み続けるために配偶者が自宅を相続する場合、自宅の価値が法定相続分である4,000万円を超えてしまいます。 そうすると、配偶者は差額の1,000万円を代償分割として支払う(または共有持ち分にする)必要があり、自宅は相続できても預貯金等の金融資産が相続できないために生活に困窮してしまうこともあります。
配偶者に自宅は残せても、自宅を相続するために金銭差額を支払えなかったり、金銭が手元にないと心配ですよね。 そこで、自宅は子が相続したり配偶者と子の共有名義にし、配偶者に配偶者居住権を遺贈することで配偶者が住み続けることができます。 その場合は金銭も相続可能になってきますので、生活の安定が実現できます。
※不動産の共有名義については、別の記事で触れます。事前に公正証書遺言で相続不動産や預貯金などを指定していれば心配は減りますが、参考にしてください。
残される家族に最後のメッセージを残す(付言事項を残す
